自己破産後に感じた「お金の恐怖」—解放されたいけど縛られる現実
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長年の借金に苦しみ、ついには自己破産に至った私の人生。
今回は、自己破産を経験した後に感じたお金に対する感情の変化、そして日々の生活での葛藤についてお話しします。
目次
パワハラが引き金となり、うつ病・アスペルガー症候群を発症し休職へ
正社員として働いていた頃、私は先輩社員からのパワハラを受け続けていました。
その影響で、次第に働く意欲を失い、心身ともに疲れ果ててしまいました。
総務部に相談したところ、産業医との面談を受けることになりました。
面談では、先輩からのパワハラや住宅ローン・カードローンの借金苦、さらには家庭内の問題も含めて打ち明けました。
その結果、心療内科を受診するよう勧められ、診察の結果、うつ病とアスペルガー症候群と診断されました。
休職し、傷病手当金でなんとか生活を維持することになりましたが、その後の生活は決して楽なものではありませんでした。
傷病手当金の終了後、生活保護と自己破産へ追い込まれる
抗うつ剤や睡眠薬を服用しても、働く意欲は戻りませんでした。
休職期間が終わると同時に退職が決まり、収入は傷病手当金だけが頼りでした。
しかし、その手当金も1年半後には支給終了。
知り合いに相談したところ、弁護士に相談するよう助言され、持ち家を離れ一人暮らしを開始しました。
その後、生活保護の申請が通り、ケースワーカーから債務整理を勧められて自己破産を決意しました。
自己破産の手続きを経て、ついには持ち家が競売にかけられました。
そして、自己破産が完了して1年後、借金免除の通知が裁判所から届いたのです。
自己破産後、お金を使うことへの恐怖が消えない
借金という長年の重荷から解放されたはずなのに、自己破産後、私はお金を使うことに対して強いストレスを感じるようになりました。
20年以上も借金に苦しんだ経験の後遺症か、うつ病とアスペルガー症候群の影響か、お金を使うことに対して恐怖を抱くようになったのです。
食料品を買うために少額のお金を使うだけでも、深い悲壮感に襲われます。
まるでまだ借金を抱えているかのような錯覚にとらわれ、お金を使うことが自分を締めつけるように感じるのです。
今でも借金があるような錯覚に苦しむ日々
お金を使うたびに、「もう借金をしたくない」「お金を使いたくない」という強い抵抗感が湧いてきます
。必要最低限の生活費であっても、使うたびに心が苦しくなるのです。
現実には、もう借金はありません。
しかし、心の中ではまだ借金を抱えているような気持ちが残り続けています。
お金を使う恐怖から解放されたい
お金を意識せずに生きていきたい。
お金のことを考えず、自由な生活を送りたいという願望が強くなっています。
障害年金の支給を受けてからは、母親と世帯を一緒にして生活していますが、それでも「お金を使うこと」が私の中で大きなストレスとなっています。
生活保護を受けなくてもいい状態になりましたが、今でもお金に縛られる人生から解放されたいと強く願っています。
800万円を超えると幸福度は変わらなくなる
「もっとお金があれば幸せになれるのに……」
誰もがそう思いがちですが、本当でしょうか。もちろん、食べるものも着るものもろくに買えない貧困状態は不幸ですから、衣食住が満たされた生活をしたいと思うのは当然です。一定の生活レベルを維持できるまでは、収入が増えれば増えるほど、人が幸せを感じられることも事実です。
しかし、それ以上の生活レベルを求めるとなると、話は変わってきます。ノーベル経済学賞を受賞したアメリカ・プリンストン大学のダニエル・カーネマン名誉教授は、「年収7万5000ドル(日本円にして約800万円)」を超えると、幸福度がほぼ変わらなくなることを明らかにしました。
年収800万円あれば、マズローの欲求5段階説でいう食欲、睡眠欲を満たしたい「生理的欲求」、安心して健康に暮らしたいと思う「安全欲求」が満たされます。人間の幸福度はその2つに大きく影響を受けるのです。
お金と幸福度の関係は、経済学用語の「限界効用逓減(げんかいこうようていげん)の法則」でも説明できます。人は、欲しい消費財の1つ目を手に入れたとき、もっとも高い満足度を得られます。ところが2つ目、3つ目以降は、1つ目以上の満足度が得られないどころか、買えば買うほど満足できなくなっていくのです。
まとめ
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もう一度、人生を取り戻すために
自己破産で借金から解放されたものの、今度はお金を使うことそのものがストレスになってしまった私の経験。
お金を使うたびに感じる不安と恐怖から解放され、安心して生活できる日々を取り戻したいと願っています。
お金は生活に必要なものですが、それに囚われてしまうと心の健康を保つことは難しくなります。
同じような苦しみを抱えている方にも、この経験が少しでも参考になればと思います。