為末大の『諦める力』レビュー:不平等な世界で自分の道を切り開くために必要なこと
「世の中は平等ではない」という現実は、多くの人にとって厳しいものです。
為末大さんの著書『諦める力』では、この視点から、どうやって自分の人生を見つめ直し、力を蓄えていくのかが語られています。
この記事では、私自身の経験を交えながら、この本がどのように自分を奮い立たせ、次のステップへのヒントを与えてくれたのかをレビューします。
目次
今の自分にできることは、治療に専念して生き続けること
現実の世の中は汚い、厳しいと嘆いてばかりいて何もしないのは甘えだと思う。
「世の中」という誰かがいるわけではなく、私たち一人一人がすでに世の中の一部なのだ。リーダーがいない、景気が悪い、世の中はこんなにひどいと吠える人は、自分の人生が放ったらかしになっていないだろうか。僕にも思い当たる節がある。自分の人生と向き合わずに社会の問題なんて解決できるわけがない。もっといえば自分と向き合う勇気がないから、社会批判に走る。
世の中はただただそこに存在している。それをどう認識してどう行動するかは自分の自由で、その選択の積み重ねが人生である。なんてひどい社会なんだ。そう嘆きながら立ち止まっていふだけの人生もある。日々淡々と自分のできることをやっていく人生もある。選ぶのは自分だ。
為末大さんの「世の中は平等ではないからこそ、活力が生まれる」という言葉は、とても心に響きました。
世の中は確かに不平等です。それに嘆いても、現実は変わりません。
私もまた、うつ病やアスペルガー症候群の診断を受け、無職の状態で、障害者雇用も認められない状況にあります。
しかし、そんな状況でも今できることは、薬物療法に専念し、生き続けることだと感じました。
「今は何もできない」ではなく、「今は治療に専念する時期」と割り切ることで、少しずつ前を向くことができるようになりました。
過去の自分は頑張り過ぎたのかもしれない
健常者だった頃、私はただ生活費を稼ぐために働き続け、心の疲労に気づかずに過ごしていました。
恋愛も楽しめず、友人とも遊べず、ただひたすらに住宅ローンやカードローンを返済し続ける日々。
仕事では上司からのパワハラが続き、ついには働く意欲や生きる意欲を失ってしまいました。
産業医との面談で心療内科の受診を勧められ、そこで初めて自分がうつ病とアスペルガー症候群に苦しんでいることを知りました。
自分の心が「燃料切れ」になっていたのに、気づかずに走り続けていたのです。
健全な家庭に育った子どもが羨ましいと感じる
また、両親の離婚は私にとって大きなショックでした。
幼い頃、両親が健全な家庭に育てばどれほど違った人生だっただろうと、今でも思うことがあります。
私が育った機能不全の家庭環境は、常に心の中で何かしらの焦りや不安を抱えていました。
それに比べ、健全な家庭で育った子どもたちは、余裕や安心感を持って生きているように見えます。
自分の家庭環境と、健全な家庭で育った人々とを比べてしまうと、どうしても不平等さを感じずにはいられません。
過去は変えられない。だからこそ今をどう生きるかが大切
両親の離婚による家庭環境の影響で、私は「自分が頑張らなければならない」と思い込み、心の疲労を無視して生きてきたのかもしれません。
そして、その結果が今のうつ病という形で現れたのです。
しかし、過去はもう変えられません。過去の出来事を悔やんでも、未来を見据えなければなりません。
為末大さんの言葉、「過去は変えられない。未来のこともわからない。」が心に深く響きました。
今、できることは、過去を振り返るのではなく、未来のために「今」をどう生きるかに焦点を当てることです。
私は、うつ病やアスペルガー症候群の治療に専念し、いつか再び社会復帰できる日を目指していきたいと思います。
まとめ:不平等な世界で自分を強く保つために
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為末大さんの『諦める力』を通して学んだのは、世の中が不平等であることを受け入れる強さです。
それを嘆くのではなく、自分の今できることに集中し、未来に向けて一歩ずつ進んでいくことが大切だと感じました。
過去を悔やむのではなく、今この瞬間を大切にする。そして未来の自分を信じて進んでいくことが、最終的に人生を豊かにする鍵です。